足の痛み解決!靴をつくる理学療法士のblog

靴の販売・オーダーメードインソールの『 靴の馬喰快歩堂 』のご案内と、
理学療法士の目線から足と靴の関係・履物でのトラブル防止に長年取り組んでいる三浦賢一(みうらけんいち) & 佐野宏次(さのこうじ) 
ふたりの活動をご紹介しています。

タグ:フットプリント

以前にパンプスをオーダーしてくださった方です。今回はお気に入りの市販のストラップパンプス2足も一緒にお持ちになり、リセッティングについてもご相談でした。
早速履いてみていただきます。
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何度か歩いてみていただき、その状態を丁寧にチェックしていきます。
このパンプスは同じデザインの色違い。エナメル素材のブラックとベージュ。
どちらもお気に入りなのだそうです。
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三浦さんと佐野さんふたりとも靴の状態をチェックしています。
お客さんのお話をお聞きし、歩きの状態確認に加え、フットプリントの情報とも照らし合わせて、調整をどのようにすすめるか内容を決めていきます。
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お待ちいただく間に、店頭に展示しているフラットパンプスなども見て、試着してみてくださいました。

自作工房のお客さん紹介ブログはこちら。

靭帯の結合力の低下、足部内在筋力の低下。
これに伴い、中足骨が開いて開張足となってくる。
足部内在筋の繊維走行は、ほぼ縦方向(踵から爪先に向かう方向)を占めるため
横にひろがる力を抑えるのが難しい。

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唯一、母趾内転筋が横方向に近い繊維走行のために
この筋肉が結果的に引き延ばされながらも張力を失った状態でつなぎ止めている。

ところが母子内転筋は中足骨の底面に付いているため
中足骨に回旋力が加わり母趾がねじれる状態になってしまう。

興味深いのは、
外反母趾の角度と痛みが必ずしも一致しないという点である。

外反母趾の角度が小さくても痛みが強い方、
角度が大きいくても痛みがない方など…

フットプリントを取り続けているとある傾向に気づく。
それが小趾の浮き指の存在である。

歩くことを想定すると当然だが、
蹴りだしのときに小趾が浮いていると、
早期から蹴る力も、床からの反力も母趾側に集中する。
負荷があつまれば、痛みも強い。

だが、安心して頂きたいのは、
歩く姿勢を確認しながらインソール等でしっかりとアプローチし、小趾の接地がでてくると
痛みが少なくなってくる。悩んでいた方も大変喜び、感謝の旨を頂く。

しかしここで歩みを止めてはいけない。

他にも歩くことを想定すると
『第一中足骨頭と第四中足骨頭の関係』や『足部における三つの転がり運動』について
考慮した靴からのアプローチも当然、必要になる。

以前、このブログで開発中として紹介させて頂いたが
この靴の話はまた、次回に。


埼玉よりセミオーダーパンプスのご注文の為、K様が来店された。
実は以前より、K様から『やっぱり疲れにくいパンプスが一足は欲しい』 と打診されており、
満を時して本日を迎えるに至った。


試着靴を履いて頂き、不備が無いか確かめる。
土踏まずのフィット感、良し。
踵のカーブのラインとピークポイント、よし。
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歩いてみると、『いい、いいね。あー、これいい。』
と歩きながら唸っておられる。

慣れてくると、『左側が少し不安定に感じるかな・・・』

フットプリントをよく観察し、足を確認すると、踵骨の長さ、、、違う!

左側の踵骨が右側より5mm長いため、靴のなかで少し滑っていたのが判明した。
早速パッティングで左側の踵骨固定位置を調節する。

歩くと安定感がまるで違う。
K様、一歩目から口角があがっていて、こちらも嬉しくなる。

革選び等も終え、3週間後に納品予定となった。



“試着”とは、『合う、合わない』を確かめるだけではなく、『なぜ合うのか、なぜ合わないのか』を明らかにする作業である。

そして、大事なこと。
試着靴とは靴型をした検証用具であるという認識。

足になかなか合わないとお悩みの方、是非一度ご相談ください。

K様、ご来店・試着のご協力、ありがとうございました。
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※写真のベルトつきオープントウパンプスは、馬喰快歩堂ブランドのパンプス『シルクライン』シリーズ
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 シルクライン商品紹介ページ

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