足の痛み解決!靴をつくる理学療法士のblog

靴の販売・オーダーメードインソールの『 靴の馬喰快歩堂 』のご案内と、
理学療法士の目線から足と靴の関係・履物でのトラブル防止に長年取り組んでいる三浦賢一(みうらけんいち) & 佐野宏次(さのこうじ) 
ふたりの活動をご紹介しています。

2014年12月

こちらのお客さまは今日、自作工房ヒロのフルオーダーパンプス(6cmヒール)の受け取りにいらした方です。
早速完成品を履いてみていただき、歩いているようすを斎藤先生と一緒にチェックしていきます。
それによって、仕上げの調整がどんなところにどの程度必要か、パンプス側かインソール側の調整かを先生と相談しながら決めていくのです。

担当の三浦さんはパンプスの木型にも詳しく、歩行分析のプロ。パンプスのことからつま先の痛みの原因なども相談にのることができます。今回のお客さんとも、歩行チェックしながら歩行姿勢の話、荷重位置によって痛くなる場所が変わってくることなど、いろんなことに話が広がっていました。
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今回のお客さまは試着用に作ったパンプスも履きたいとのご希望。試着靴のパンプスにも三浦さんがインソール製作して仕上げ、お渡しすることに。お客様はオーダーされたパンプスを紙袋にさげ、試着靴のパンプスはそのまま履いてお帰りになられていました。

男性のお客様より手縫底付けの外羽根紳士靴の調整をご依頼いただきました。
普段は営業にて馬喰町を闊歩し、イギリス靴をこよなく愛するS様。

S様:『前から気になっていたんですけど、他所のオーダー靴の調整も可能ですか?』

との問いに、勿論、喜んで対応させて頂く旨をお伝えしました。
S様:『右足の指がどうしても当たるんです。革が柔らかくなるまで待ったんですが…』
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早速靴を拝見します。すると、履いた時点で、いくばくかの踵の緩みを訴え、歩行時に右母趾とアッパー上部の摩擦の痛み、右小趾の痛みがあるとのこと。その位置と状態を確認します。

この状況から考えられる要因は、踵の固定が弱い、足が前に滑る、もしくは踵が押し出されていること。その現象を引き起こすのが、足部不良運動(過回内、過回外)なのか、それとも靴の各種パーツの誤差によるものかを見極める必要があります。

この歩行姿勢の分析より、右足が過回外、左足が過回内の傾向が強ことが判明。歩行軌跡の分析によって、左測推進期の過回内より右側接地期の過回外を誘導し、右側推進期の過回外に至ることも判りました。

これらを把握した上で、インソールの設計を考え作っていくのです。
左側ショパール関節部と母趾級側面から母趾内壁へのサポートを中心に作製し、
右側は立方骨部はアーチ状の付加、第5中足趾節関節部はややウェッジ形状を強めに作製させていただきました。
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インソールを装着し、履いてみていただきます。歩いてみると、足の痛み、かかとの緩みは消えているとのこと。
S様:『おおっ!別の靴みたいです。』

翌週、その後の靴の履き心地状態をおうかがいしました。
S様:『調子良いです。でもまだちょっと気になるんですよ。』 とのこと。
屋外で長い時間歩くと小趾が当たり始めるご様子。
拝見すると、少し赤くなっていたのも確認できました。

歩いてもらうと、歩行姿勢、歩行軌跡共に、足部不良運動が是正されている状態。
このことで遠因は靴のパーツ誤差と判断しました。
結果、ヒールのアゴの設定角度が靴底着地位置に対して直角になっていない点、もう一つは木型状踵部の外側のスペースが不足している点が判明し修正を加えます。

S様:『うおっ!』 という声が上がり…
『バッチリです!今度別の靴もお願いします!!』とのこと。

後日、指の痛み・踵の緩み共に解消された旨を賜り、
ご好意で実家で栽培されている林檎を頂きました。

S様、ご来店ありがとうございました。


オーダー靴では、踵をしっかりと固定する為に履く方に合わせて木型を作る。
当然、靴内と同じ向きで足が固定される。
この状態でヒ-ルのアゴが歩行時の着地位置に対して直角に切れていないと足はその位置に誘導される。つまり“木型の着地位置とヒールが誘導する着地位置の誤差を生み出す。

この誤差により、踵骨や周辺の軟部組織が外側に動き、外側のヒールカウンターに当たりながらの歩行となる。
足が硬い方は靴擦れになりやすいが、一方、足がやわらかい方は踵部の軟部組織に押し出される形になり、足が外転方向に誘導され、小趾がアッパーに押し付けられ痛みが出やすいのが特徴と言えよう。
靴の踵部を足に合わせた場合、もしくは堅固な素材を用いるゆえに起こる問題である。

既製靴は踵部を大きく作る為、踵の内・外共にに余裕があるのでこの問題は生じにくい。
既成靴とオーダー靴の調整方法に関しては、オーダー靴の方がシビアである。
足に合わせずゆえに起こるトラブルと、
足に合わせて作るがゆえのトラブルは、症状は似ても問題点は非なるもの
である。

上記の対応例がオーダー靴を選ばれる方、その調整に対応される方の一助になれば幸いである。

快歩堂ブランドの靴には、フラットパンプスから4cmヒールまであるのですが、このうち、4cmヒールのシリーズは、実は単に4cmヒールにしているのではありません。歩行をサポートするための理由から、それを実現するために4cmヒールとなっています。
これについては自作工房ヒロの斎藤先生が独り言でこんな話をされていますので、ご紹介します。
興味のある方はぜひ一度、読んでみてください。→ 自作工房ヒロのblog:「職人の独り言
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先日コンフォートシューズをオーダーいただいたM様に、無事納品をさせていただきました。
M様は外反母趾の為、既製の靴では足がうまく納らず、歩く度に痛みを出し大変困っておられました。

(※オーダーいただいたときの記事はこちら
今回注文いただいた靴は、黒×茶の型押しレザー、前ベルトタイプ。

履いてみると「こんなにスムーズに歩けるなんて思わなかった!」と、
大変感激のご様子。そのご様子を拝見しこちらも嬉しくなります。


後日にはわざわざ感謝のお言葉を書いて持ってきて下さいました。

こんなに喜んでいただけると仕事の張り合いがあるというものです。

今後とも多くの足に困った方々に喜んでいただけるよう、
精一杯努力してゆきたいと思います。
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**--*--*--*--*--*お客様からいただいたメッセージ*--*--*--*--*--**
いよいよ私のためだけの靴を受け取ると思うと、
朝から落ち着かずに何と!お約束の30分も前に着いてしまいました。

履いてみると、期待していたよりずっとよく足に馴染んで驚きました。
今まで買って履いていたものとは全く違い、前後左右に遊びがなく足にぴったりと吸い付くって感じがします。このためにあの念入りな採寸が必要だったのだと納得しました。

姿勢も良くなり、真っ直ぐに早く歩けるようになりました。
お店の前を25メートルほど3往復してみましたが、私がこんなに姿勢よく真っ直ぐ歩けることなんてもう2度とないと諦めていたので感激しました。
信頼している佐野先生にお願いして本当に良かったです。
手入れの仕方も親切に教えていただいたので大切に履こうと思っています。

ありがとうございました! 凄く嬉しいです!

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フットサル日本代表の皆本晃選手が来院して下さいました。

この日は新規でインソールを製作。


当院スタッフはトレーナーとしての経歴も長いので、動作の確認も入念に行っております。

皆本選手ご本人のブログでも紹介していただき、大変ありがたいかぎりです。
http://s.ameblo.jp/akira-minamoto/entry-11961333186.html

今後も皆本選手の活躍を、大いに期待していきたいと思います!

頑張れ皆本選手!!  皆本選手オフィシャルサイト MINAMOTO-AKIRA.COM
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